大高村源一郎(店舗建築評論家) “トリエンナーレ〜奥能登国際芸術祭2017〜秋深まり、大成功の兆し深まる”
2017年10月2日
“トリエンナーレ〜奥能登国際芸術祭2017〜秋深まり、大成功の兆し深まる”
今回はトリエンナーレ〜奥能登国際芸術祭2017をリポートしてみよう。
台風の接近とともに奥能登へ向かったのであるが、予想された混乱はなく、秋の深まりを感じながらの見学となった。
もうすっかりおなじみなったであろうか。トリエンナーレというキーワード。
3年に一度開かれるアート展覧会。
1980年代後半から町おこしとの連動されて形様々に開催されるようになった。
最近では、さらに数多く開催されるようになり、2016年2017年と、かなりの芸術祭が開かれている。しかし。そのすべてが盛況のもと成功しているとは限らないようだ。
自治体主導のものあり、アーティスト主導であったり、広告代理店がしっかり入り込んでいるところも多いようだ。
基本的には地方都市に国際交流や町おこし、観光客の誘致、地元のアーティストの発掘、etc…。そして理想は地元の人がアートに触れアートの裾野が広がって行くことなどが期待されるのであろう。
奥能登国際芸術祭は今回初の開催。
一番成功したといわれる瀬戸内国際芸術祭と同じ主催者の仕切りである。
ゆえ、初めての開催であるにも関わらず、作品や連動イベントはかなり充実した、完成度の高いものになっていた。
町の人たち応援していて、様々なイベントが平行して行われていたのが嬉しい。
しかしそれはこの芸術祭に組み込まれておらず、町の人たちがなんとか盛り上がりに貢献しようと独自に企画したものが多かったのには驚かされた。
地元の声を聞くと、地元の枠がもう少し欲しかったとのこと。
大前提が国際芸術祭なので仕方がないが、地元のアーティストに少しでも場を提供してもらえたら。などと、かなり遠慮がちであるが、そんなことを語っていたのが印象に残った。
そして現実は鉄道が廃線になって12年の奥能登。
これでまた、少しでも訪れる人が増えればと、地元は期待しているようだ。
10/22までの開催、まだまだ間に合う。ぜひサイハテにて素晴らしいアートに触れていただきたい。
現代アートは難解であるという印象が強いが「“その場所”にある」ことによって、作品ひとつひとつが大変理解しやすい。とにかくわかりやすい。それがこの芸術祭の最大の魅力の一つであろう。
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